ある心理療法家から公開カウンセリングを受けた方が漫画にしたそうですので、ちょっとカウンセリングとはどんな感じかも(この場合は集団カウンセリングなので対個人とはちょっと違いますが)
受けて側(クライエントさん側)から書かれているので興味深いかと思われます。
またこの方のカウンセリングはわたしが受けたことも、そしてこの公開カウンセリングを見たこと、も療法あります。
先ずは読みに行ってみてください。
クライエントさんは良いカウンセリング、と思ったから描かれたのですが、
実はこの方はやっぱり同じようなカウンセリングしちゃってるのだな、と。
この漫画からはわたしにはまだまだ心の痛みが全面に伝わってくるのです。
なのでクライエントさんは過去の悲しみには触れた、けれど、その悲しみは
癒されていないように感じます。
この先生のカウンセリングは確かに感情の扉を開けることは得意な方なのだと思います。
わたしが見た事例で8件ほど年代を変えて観させて頂きましたがほぼ触れていたので。
(それにこの扉に触れることが出来ないカウンセラーや自己啓発やらスピが大半ですから。
それなのに「己の感情のままに生きろ、とか覚悟決めろとか、先ずは解き放たれて」とか
言うのでますます己から遠のいていくのですが…)
しかし多分その出てきた感情に丁寧さ、誠実さ、がないのです。
出てきた感情こそ、セッションにおける”主人公”なのです。
誤解が生まれるかもしれないですが
クライエントさんのこうしたい、という表層意識、顕在意識は主役、ではないのです。
クラエイエントさんがが主権を取り戻す、わたしの話を聴いて欲しいから頼んだカウンセリング、ですが、聴くべくは、あなたのその常に日頃ずっとこうだろう、ああだろう、どうせこうなんだ、きっとこうに違いない、悩むあなたはそう頭で何十回いや何百回も巡回する同じような言葉、結論めいた何か、ではないのだから。だってそれこそが悩みの根源でしょう?そこに留まっていてどうするのですか。
それを他者に話したとてなんの解決になると言うのでしょう。
それから解き放たれること、自由になること、いったん0に、空に、すること。
それが悩みから解放されることではないのでしょうか?
あなたの頭の中でいつも言う声、いつもたどり着く同じ答え、からの解放、
それが幸せなのではないでしょうか。その同じ繰り返しに一番飽きているのはあなたではないのですか?自分の人生を変えたいのに同じその思考に留まっていたら、環境を変えようが変わらないのではないでしょうか?
その負のループからの解放、それこそがセッション、本当のカウンセリングなのだから。
そこに導く役割こそ、カウンセラーや心理セラピストの役割です。
あなたの今までの親から?世間から?様々な制約から一旦離れて、
本当に望むなにかとはなんであるか、という声を、聴く、為に。
さて、話を戻してましょうか。
ならなぜこの漫画のセラピストさんのではよくないのか。
感情に触れて(扉を開いて=潜在意識の世界に行っている、ということ)いるにも関わらず
駄目なのか。声が出てきても、そこからのリードがセラピストの想像する結論へとミスリード
してるように感じます。その答えで納得し、満足するのはセラピストです。
それでは声(=潜在意識)が満足できない。
だからクロージングが出来ていない。顕在化された心の傷がそのまま対処(治癒、癒しという行為)をされないまま放置された状態、ということ。
クロージング、とは、やっと久しぶりに邂逅した声(=潜在意識)と、これから信頼関係を構築する、あらゆる手段をとり、向き合っていく、ということです。
なのでわたしは一回お試しをされた方に必ず最後に言う内容があります。
「この課題は必ずしてください、それがふと軽くなったり何か違う感覚が生まれたら、次のセッションを受ける段階が来た、ということです。なのでその次のセッションはわたしから受けようが他の方から受けようが、それを感じるまでは受け時ではないです。それを感じたら、受けるようにされてください。またセッション自体をここで終わりにしてもいいですが、その課題だけは続けて言ってください。それはあなたとあなた自身が仲良くする方法だからです。」
それぐらいとても大切なもの、です。
一回のセッションで満足する潜在意識の声(ちょっとこの言い方だと語弊というか大学の心理学なんかで言ったら怒られそうですけど…わかりやすく書いてます。見逃してください)は先ずないです。
それは単に長く長く接触がなかったため、仲直りには時間クスリも必要だし、慰めや、信用を造る為には何度も何度もお互いに確かめ合うものが必要だから、です。
それはあなたが悪かったからでもないし(だから勇気を出して逢いに行くのでしょう?)
その声(=本当のあなた)が意固地だからでもなく、それだけ深く傷つくようなことがあった、と言うことは、それだけそこで大切な何かを守ろうとしたり、なにかそれだけそこで関わった人を愛していたから、という証拠でもあります。
なので心理療法に長く時間がかかるのは駄目な人、ではなくて、それは傷ついた傷が治る為にはそれなりの時間は掛かる、ということは受ける前にご承知おきください。
個人的な揺り戻しの回数、癒したい段階、それは様々です。
他とは争わない、競わない、回数を設定しているのは基本的なクロージングをする回数です。
そこで終わるのもよいし、そこから単発で受けるのも良いのです。
ただ声が今は言いたくない、数年寝ていたい、とか言う方もいるのです。
わたしはそこを尊重することが一番、その声を、本当のあなたを尊重することだと思います。