ある旅館を知りました。
どのサイトでも高評価、
何が良いって、
従業員の方が素晴らしい
と言う旅館。
従業員が宝物。
(ご飯やら他ももちろん高評価です)
その旅館の従業員の方の半分が鬱病、引きこもり経験者の若者たちなんです。
きっかけは昔引きこもりだった少女が入社した際に社長が褒めて育てたらだんだん笑顔がその子に戻ってきたから。
それからそれぞれの個性を認め、仲間が支えたら誰もが輝けるのだ、と体験したから、だそうです。
また旅館の業務で毎日従業員の方が書いているのは素晴らしいノートでした。
今日を良い日にする為に、
あなたは何を人にした?
何をしてもらったの?
そして感謝をお互いに葉書にして送り合う。(ちゃんと手書きでした。ここは重要なポイント。)
社長曰く、応援される人になること、が幸せだと。
それが生まれたのは社長の挫折体験から。
挫折の中に宝はあります。
(社長の挫折は旅館の責任を自分の生命保険で払おうか、と言うレベルです)
旅館を親から引き継ぎ、トップダウンで命令してそっぽをむかれ、更に経営危機にも襲われ非常階段に逃げこんだ時に、黒ずみ、汚れた階段を見たそうです。
あ、自分は命令したばかり、頭で考えていただけで、自分の手足を動かしてはいなかった…
それから1か月、階段を黙って磨き続けたそうです。1か月後、後に続く従業員が一人、また一人…
それから7年。
コロナであろうが満室の人氣旅館になった
今も社長は毎日現場で磨いています。
じゃあ人氣旅館になるには
売上を上げる為には、
階段磨けばいいの?
何回?
どこを?
どんな風に?
と、マニュアル化したのが
今の安っぽい自己啓発の本だと思います。
ではルール化する、
やり方を体系的にマニュアル化したら、
みんなが旅館を繁栄させられるのでしょうか。
現実は違うでしょう。
だからこれ以外にやり方があるはず…とセミナージプシーになるか、
はたまた養成講座を開催して搾取する側になるか、なんじゃないでしょうか。
自分は自由だ、こんな素敵な場所で仕事しました、ご飯食べた、好きな時間に楽しい仕事した、はいはいはい、似たような写真と文言をありがとう。
そんなのが、あなたの人生ですか?
そんなのが、あなたのあるがままな あなた、であり、自分の強みをウリにした、とか言う自分を売り出したビジネスってやつなのでしょうか。
一般社会における優秀な営業マンは確かに個性的です。
しかし優秀な人ほど自分を前面には出さないで、お客様のニーズを引き出します。
(強いて言えば引き出し方が営業マンの個性が出る場所で、自分、自分としゃしゃり出るなんてブランコを取り合う三歳児じゃあるまいし、そんな野暮なことしないです)
さて、話を戻しましょう。
社長は従業員にそっぽをむかれ、
何が自分のやり方が間違えていたか、
自分と向かい合い、心から考えて、
やった先の結果、です。
階段を磨き始めた時に、
これで旅館が儲かる、従業員が戻ってくる、なんて微塵も思わなかった。
でも黒ずんだ階段を見て、
ああ…自分は見ていなかった
やっていなかった、と奥底から湧き上がる氣持ちを実際に行動に移したから、
(これが真の反省です)
そして見返りを求めず、期待せず、続けたから、と階段を磨いたから、
向かい合ったのは階段であり、そして自分自身の過去と心、です。
だから自分の求めること、に氣づいた。
それは
「応援してくれる人間関係の中に身を置くことが人間の幸せ、と。
人は一人で生きてはいない」
だから自分の旅館をそうしていこう。
そしてその挫折を経験し、乗り越えたから
挫折したって人は仲間に支えられたら復活出来る、と人を信じる力を得たんでしょう?
だから心が大切です。
心持が何より先。
そしてあなたが本氣なら道は見つかります。結果を見たらダメです。期待して、こうなりたい、が先に来たらいけない。
結果は来るもの。
今、出来ることをする。
今、やるべきことを。
それは種をまくことと同じです。
種はそれぞれのその種のタイミングで芽がでますよ。あなたが急かすことは出来ません。自然の理に預けましょう。
焦るとは、その種ごとの個性を否定して、あなたの思い通りにしたい、と言うコントロールの欲望です。
だからそんな欲望は捨てましょう。
それぞれの個性を認めて受け入れてあげてください。
