先日過去のものだけれど肺がんのあとがCTにてあると検査結果がきました(今のところ現在進行形はないので大丈夫です)ああ、そうだろうなあ、と感慨深いものがありました。自分で思い当るかれこれ9年間かな、社員枠で再就職をする際に健康診断ってありますよね。その結果で血液の炎症が酷いよ、と地元のかかりつけの内科医から警告を受けました。その頃の自分の感想はああ、だからどうした、それでも前に進むしかない、すべてを自分で背負わないといけない、と無理をしていた頃のものだったからです。その数年前から、このままならストレスでわたしはがんになる、そんな風に他人ごとのように感じていましたから。で、結果が着て、本当にそうだったんだな、と。がんは終わりなき炎症状態とも言いますから、あの時心を殺していたわたしの叫びを身体が代わりに叫んでいた訳です。
胸は悲しみを多く抱え込みます。肺や乳がんは悲しみの人が多い傾向にある。胃は怒り、腸は我慢、です。ゲシュタルト療法とフォーカシング(心理療法)のワークショップで乳がん専門のドクターとお会いしましたが、乳がんの人はそういう人が多くてなにかヒントを得たいと来た、って方もいましたね。
ただわたしは色々あって(愛犬の導きがあり)その社員の席を降りて、その後すぐに心理療法と出逢うことになります。わたしの場合ですが、それがなかったら、今、この世には居ることは難しかったでしょう。抑圧された感情はわたしの肺を、わたし自身を壊してしまっていたでしょう。感情はそれだけのパワーを持っているものです。と言うか感情はエネルギーとも言えるもの。しかしそれ自体に善悪があるわけではありません。ただ、それがどこに向くか、で、事態は変わっていくものです。
がんになった人、また他の病気の人の病巣部分の話を聴くと(不思議な感じがすると思われるでしょうが、がんはがんの声を持っています)酷いことなんて言っていません。
無理しないで
とか
がんばりすぎないで
とか
もっと心を開いて
とか
淋しいって素直に言って
とか
あの人に謝りたい
そんな声が多いです。
だからがんと闘わないで欲しいのです。あなたにもっと優しい眼差しと労わりを、あるいはあなたが誰かと素直になってわだかまりをなくして欲しい、そんなことを言っているのだから。
闘わないで、話を聴いて欲しいのです。
これは”あなたの心”とも同じですね…。
火があったとして、人の輪の中心の焚火として人々の輪を作り煮炊きをするように使うのか、それとも火を使って攻撃をして武器とするか、”火”自体に良い悪いはなく、それを”どう使うのか”ということ。感情と言うエネルギーも同じなんです。
またこれは免疫の構造とも似ている。
免疫力が弱いのは確かに防御力が弱いと思うでしょう?でもリュウマチやがん、アトピーの様に免疫力が暴走した病は、免疫力が自分自身を攻撃している状態だから免疫力が高いとそれだけ自分を破壊する力も強いと言う悲しい結果を招くことになりかねません。
つまりは免疫力は①攻撃能力の高さと、②何に攻撃を仕掛けるか(=敵見方の識別能力)、の学習能力の2つが兼ね備えられねばなりません。でも昨今は強化ばかりに注目が行っているような気がしてなりません。免疫をつかさどる細胞たちにの学習をさせる(=敵味方の識別能力を学習させる)臓器は胸腺といい、いわばそうした免疫たちの大学と言えます。抗体などを産生するBリンパ球に対して指令をし、病原体に対して攻撃するTリンパ球を成熟させます。これは肺の間、そしてやや胸の上のところにある臓器です。ところがだいたい思春期の始まりをピークとしてそれを超えると徐々に萎んでしまう。だから幼少期から10代の頃までに、ある程度のウィルスや細菌に罹患して(実際に病にかかったりして)胸腺から何を攻撃するのか、を学ぶことが本当は大切なのです。だから赤ちゃんはなんでも舐めて、手を伸ばし、触って世の中を知ろうとします。また前にも書きましたが子どもが鼻くそをよく食べているのもそうした防衛本能から行うことです。(もしかしたらうんちなどに興味があるのもそのためかもしれません)ゆえに無菌状態で育てること、病から遠ざけて育てること、ばっちいばっちいと除菌や土から遠ざけたり、触ろうとするものをやめさせること、それははその子の胸腺に様々なデータを蓄積させることが出来ないので程度を守ってやらせてあげなくてはいけないということになります。
またこの臓器の役割は、何が自分で、何が自分ではないか、を見分けることを教える臓器だからなのか、ストレスに弱く、機能不全家族にて成長した人、虐待を受けた人はこの臓器(胸腺)の萎縮が人よりも早く進んでしまうということがわかっています。心でも自分の気持ちを失い、体もそれに呼応するように、自分の細胞か他人の細胞か見失い、自らに攻撃をしてしまう。それはまるで思考だけでなく体も自分責めをしているようで、ああ、思考と身体は本当に影響し合っているのだと。わたしはこれを知った時とても悲しく感じました。だって自分で自分が、思考でも、細胞でも、攻撃している、かつて誰かにされたように…。
なんと言うことでしょうか。それは止めて欲しい。もう過去にされて泣いてきたのでしょう?
もういいじゃないですか。もうやめましょうよ。
でも、それをやめられるのはあなた自身だけです。
だってあなたがしている、のだから。
虐待サバイバーや機能不全家族の子ども達は長じて免疫暴走の病の罹患率が高いこともわかっています。
もう自分をイジメるのはやめませんか、やめましょう。適切な心理療法をすれば体の状態を緩やかにしたり、自分に対して正直に生ききること、は可能なのだから。
それはまったく虐待の事実がなかったことや体の傷が無傷になることは無理でも、それでも、自分の気持ちを取り戻し、身体ともう一度仲良くすることは不可能ではないと、わたしも自分の身をもって検診結果を通じて感じた夏の想いです。
どうか諦めないでください。
確かに昔、あなたには与えられなかった大切なものがあります。
失ったもの、時、想い、いっぱい沢山あるでしょう。
でも勇気を出して自分と対峙することが出来たなら、あなたはあなた自身で自分を育て直すこと、自分の気持ちを取り戻すこと、あなたが本当に望むこと(=自分にとっての幸せ)を思い出すことは出来る。
それはあなたのものだから、です。
それを取り戻した時、あなたは身食いする馬の状態から本当に解き放たれのだ、と言えるでしょう。
また本当の自分にとっての幸せを知ってる人は激しい嫉妬からも距離を置けるでしょう。
だってその人の幸せはその人のもの、そしてそれぞれが違うのだから。
誰かのモノ(物・者・モノ)を欲しがることはあまりないでしょう?
